3)パブリックアートやコミュニティアートの企画制作や運営


まちなか防災空地

新長田駒ヶ林町は、阪神淡路大震災以降空き家や空き地が増えている地区になります。それら放置されている空き家や空き地の一部を活用し、地域のコミュニティスペースとして改修しています。弊法人が制作に携わったのは3か所で、それらの広場にはすべて共有掲示板として黒板塗装を施しています。また、下町芸術祭などの期間には作品の屋外展示やパフォーマンスも実施し、3か所を往復し鑑賞者同士が交流することで生まれるリレーショナルアートも発表しています。制作の発想元はチリ生まれのアーティスト、建築家、写真家、映画製作者のアルフレド・ジャーの《生ましめんかな(栗原貞子と石巻市の子供たちに捧ぐ)》 を参考に、様々な行き交う人や住まう人の個人史の痕跡を残し他者に伝達することを目的とし、またそれらのメッセージや絵・記号は人為的に消すことはできず、自然発生的な雨によってのみ消すことが出来ます。人やまちの営みやコミュニケーションと、予測不可能な自然現象=社会と世界の関係を表しています。黒板塗装の四方は黄色のフレームによって囲まれており、描かれたコミュニケーションの痕跡を作品として定義しています。また、視認性の高い黄色を使用することで、非常時の緊急避難場所としての認識をしやすくしています。

 

まちなか防災空地とは:

神戸市では、防災性や住環境にさまざまな課題を抱える密集市街地において、安全・安心・快適なまちづくりを推進するため、火事や地震などの災害時に地域の防災活動の場となる『まちなか防災空地』の整備を進めています。

まちなか防災空地とは、密集市街地において火災などの延焼を防止するスペースを確保することを目的に、災害時は一時避難場所や消防活動用地、緊急車両の回転地などの防災活動の場として、平常時は広場・ポケットパークなどのコミュニティの場として利用する空地のことです。

 

制作:NPO法人芸法

協力:福祉事業型専攻科エコールKOBE、有限会社スタヂオカタリスト ほか

コマハマギャラリープロジェクト

2016年から現在まで毎年1度開催している、神戸新長田の駒ヶ林1丁目~5丁目の防潮堤に壁画を描くプロジェクト。

駒ヶ林町(長田港)の防潮堤際はこれまで不法投棄や漁具の放置等の課題があり、近年自治会と漁業組合の協力により一部が解消されていました。それを契機に、再発を防止すること・全範囲に課題の解消を波及させることを目的とし、地域住民や学生・アーティスト参加による壁画を制作。また、長田港埋め立て後の地域住民の海離れもあり、「駒ヶ林まちづくり構想」の基本方針のひとつ「親しんできた浜辺の思い出を伝え、海が感じられるまち」の実現も目指しています。この場所を地域住民が浜への親しみや歴史に触れられる場へ転換していくことを第二の目的とし、そのための仕組みを壁画制作を通じておこなっています。

全部で約100マスの作品が防潮堤に描かれており、それらのマスはすべて額装の意匠を纏っています。額装と中身の絵はそれぞれどちらも異なる地域住民が描いたもので、額装は保護者、守るものの比喩として。中身は子どもの絵や個人性を比喩としており、まちづくりや自治の在り方や地域性を表しています(自助公助)。また、作品は定期的に塗り替えや補修も行っており、過去の名画を引用したシミュレーショニズムやアプロプリエーションのワークショップも開催しています。

 

主催:駒ヶ林まちづくり協議会

制作:NPO法人芸法

協力:福祉事業型専攻科エコールKOBE、有限会社スタヂオカタリスト、兵庫高校未来創造コース ほか



アドフラットアート展示

神戸新長田に2025年に開校予定の兵庫県県立総合衛生学院の仮囲いのデザインを、4名のアーティストに描いてもらいました。4枚とも原画を転写したものですが、オープン以降には原画が所内に展示される予定です。

大橋地下道アート展示

神戸市新長田にある大橋地下道を現代アートによって彩る展示です。1500㎜×12000㎜の巨大な作品を4枚掲示し、日常の風景に彩りを齎します。



大正筋シャッターアートプロジェクト

神戸市新長田の大正筋商店街のシャッターにアート作品を彩るプロジェクトです。毎年継続しており、既に25件程度にアート作品を施されています。

 

主催:大正筋商店街

企画制作:NPO法人芸法

ライブペイント

商業施設や行政施設、屋外でのイベントなど様々な場所でアーティストによる公開制作(ライブペイント)を行いました。実施後には、そのまま一定期間展示する場合もあります。



その他

神戸ビエンナーレの広報企画として作成したオブジェの屋外展示や元具体美術協会の向井修二さんの屋外展示制作サポート(兵庫県立美術館)など。